2012年07月03日

今日から「七月大歌舞伎」

大阪松竹座での「七月大歌舞伎」、今日が初日です。

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今回は…

中村歌昇改め 三代目 中村又五郎襲名披露
中村種太郎改 四代目 中村歌昇襲名披露

つまり、親子揃っての襲名披露ということで
大阪の夏がいっそう暑く熱くなりそうです晴れ

初日に先駆けて、6月29日には「船乗り込み」が行われ
私も初めて取材してきました。
訪れたのは、大阪の京阪・地下鉄谷町線天満橋駅からすぐの八軒家浜。
江戸時代から行われていた伝統行事を見ようと
会場周辺には多くの歌舞伎ファンが集まっていらっしゃいました。

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会場には、三代目中村又五郎丈、四代目中村歌昇丈、
播磨屋一門の中村吉右衛門丈、中村錦之助丈ら俳優の皆さん、
それに関係者の方々が一堂に会しました。

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式典は、裃を着けた頭取の口上に始まり、
播磨屋の俳優さんたちも次々とご挨拶…。
又五郎丈も歌昇丈も、気持ちを新たにされていたように映りましたよ。

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さぁ、船に乗り込んで道頓堀に向け出発です手(グー)

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俳優さんたちも、水都・大阪の夏の風物詩を心から楽しんでいらっしゃるようわーい(嬉しい顔)

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天満橋(土佐堀川)を出発した船は、難波橋、高麗橋(東横堀川)、農神橋、
日本橋(道頓堀川)を経て戎橋に向かいます。
橋の下を通る時は、何だかワクワクグッド(上向き矢印)

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途中、水量調整や御贔屓の方々のサプライズもありつつ…ひらめき

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戎橋に到着ですぴかぴか(新しい)

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時間にして小一時間だったでしょうか。
左右両岸の皆さんの大歓迎を受け、船乗り込みは無事終了しました。

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船を降りた後は、船着場からほど近い大阪松竹座へ移動。
押すな押すなの大盛況のの中、
播磨屋一門に、片岡仁左衛門丈ら松嶋屋一門、
そして市川染五郎丈も加わってのご挨拶や撒き手拭いが行われましたるんるん

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大阪松竹座での「七月大歌舞伎」は本日初日、今月27日(金)千秋楽です。
詳しくはコチラ→歌舞伎公式総合サイト「歌舞伎美人(かぶきびと)



posted by 奈月 at 17:00 | 兵庫 ☔ | 和のコト、ヒト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月02日

京都文化博物館『北斎展』

昨日、京都府京都文化博物館で『北斎展』が始まりました。

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2010年に葛飾北斎生誕250年を迎えたことを記念しての開催です。
作品の住まいはハワイのホノルル美術館。
浮世絵を言えばボストン美術館とばかり思っていましたが、
ホノルル美術館も、浮世絵だけで約5万点(うち北斎作品は約500点)のコレクションを誇る
アジア美術の宝庫なのだそうです
ホノルル美術館の浮世絵はその多くが
ミュージカル『南太平洋』の作者であるジェームス・A・ミッチェナー氏の寄贈によるもので、
そのうち今回は170点ほどが来日。
有名な『冨嶽三十六景』など揃いもの6組も含まれています。
「赤富士」として知られる『凱風快晴』も!

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私は初日の昨日拝見しに行きましたが、
絵はがきなどの写真には映し出しきれない紙の自模様や絵の細かさ、
鳥の羽から水面に至るまでの繊細な表現、微妙な色のグラデーションなどなど
初めて生で観る北斎作品に魅入られましたぴかぴか(新しい)
『北斎漫画』が1冊でいいから欲しいなぁ。
「赤富士」が実物も「赤」という印象ではなかったのも、私にとっては発見目でした。
一般的な赤というより、赤土のイメージなんですね。
写真だけで「実物はもっと赤いのかも」と考えていましたが、実際に見て納得しました。

京都文化博物館での『北斎展』は2012年3月25日(日)、までの開催で、
前期(〜2月26日)と後期(2月28日〜3月25日)では展示が入れ替わります。
前期をご覧になった方は、
半券を持っていけば後期の展示を割引料金で観られますよ!

ラジオ関西『三上公也の情報アサイチ!』では
この『北斎展』のチケットをペア(2枚ひと組)にして10人にプレゼントプレゼント
ご希望の方はご住所、お名前、ご連絡をお書き添えのうえ下記へご応募ください。
◆メール asa@jocr.jp
◆FAX  078-361-0005
◆ハガキ 〒650-8580(あとは宛名を書いていただければ届きます)
いずれも ラジオ関西『三上公也の情報アサイチ!』係 まで。
来週半ばまでに到着するようお願いいたします。

京都文化博物館は、旧日本銀行京都支店の建物を活用した別館も魅力でするんるん
ぜひ足をお運びください。

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京都府京都文化博物館
京都市中京区三条高倉
TEL (075)222-0888
休館日:月曜日(祝日の場合は会館、翌日休館)
最寄駅:京都市営地下鉄・烏丸御池駅(徒歩約3分)、阪急烏丸駅(徒歩約7分)
詳しくは
公式サイトで。







posted by 奈月 at 12:50 | 兵庫 ⛄ | 和のコト、ヒト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月30日

玉三郎の艶〜シネマ歌舞伎『天守物語』〜

今、全国で公開中の坂東玉三郎さん主演のシネマ歌舞伎『天守物語』
ラジオ関西『三上公也の情報アサイチ!』内「よりみみ」コーナーでご紹介しました。

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「シネマ歌舞伎」とは…
歌舞伎の舞台公演をハイビジョンカメラで撮影映画
映画館の大型スクリーンで楽しむ新しい形のエンタ
テインメントです。
歌舞伎と映画両方のノウハウを蓄積してきた松竹が2005年に初めて公開、
俳優の表情、息遣い、華麗な衣裳などを
手が届くかと思うほど身近に感じることができるところが、生の舞台とは違います。
歌舞伎を観たことがある人は、観劇時は見られなかった角度や距離で味わえますし
観た
ことがないという人も気軽に足を運べます。
ちなみにチケットは2,000円です。

第一段として
『野田版鼠小僧』
(野田秀樹さん作・演出、中村勘三郎主演)を世に送り出して以降
徐々にラインナップは増え、現在では
『連獅子』(中村勘三郎・勘太郎・七之助親子出演、山田洋次監督)
『熊谷陣屋』(『平家物語』を題材にした『一谷嫩軍記』の3段目)
『女殺油地獄』(近松門左衛門の代表作の一つ。片岡仁左衛門親子・孫3代が出演) 
『牡丹亭』(玉三郎が中国の昆劇に主役で客演、アジアの宝と絶賛された)など
全部で19作品に。
不定期での上映ですが、これまでに30万以上を動員し
ヨーロッパなど海外でも高い評価を得ています。


『天守物語』は、
“泉鏡花抄”と題しひと月に1本ずつ3ヶ月に渡り
鏡花作品の歌舞伎公演の模様を上映していく企画の最初の作品で、
白鷺城天守の最上階に暮らす怪しくも美しい妖怪の姫君・富姫の
千年にたった一度の恋を綴ります。
舞台になっているのが白鷺城=世界文化遺産・国宝姫路城ということもあって
兵庫県在住の私は特に興味をそそられました。
映画は2009年(平成21年)7月に歌舞伎座で上演された舞台を収録したもので、
市川海老蔵さんが、相手役の姫川図書之助を務めています。

【出演】
◆富姫(とみひめ):坂東玉三郎・ばんどうたまさぶろう
◆姫川図書之助(ひめかわずしょのすけ):市川海老蔵・いちかわえびぞう
◆亀姫(かめひめ):中村勘太郎・なかむらかんたろう
◆薄(すすき):上村吉弥・かみむらきちや
◆小田原修理(おだわらのしゅり):市川猿弥・いちかわえんや
◆舌長婆(したながうば):市川門之助・いちかわもんのすけ
◆朱の盤坊(しゅのばんぼう):中村獅童・なかむらしどう
◆近江之丞桃六(おうみのじょうとうろく):片岡我當・かたおかがとう

【登場人物(妖怪)解説】
●富姫:天上界の女主人。妖艶な美しさを持つ。
●姫川図書之助:天上界を訪ねる人間の若者。見目良し、声良し、姿良し。
●亀姫:富姫の妹分。富姫とじゃれあう様子が愛らしい。
●薄:富姫のお目付役的存在。お茶目な一面も。
●小田原修理:播磨守の家来。図書之助の追手として登場。
●舌長姥:亀姫のお供。名前の通り細長い舌を持つ妖怪。
●朱の盤坊:亀姫のお供。一般に「朱の盆(ぼん)」と呼ばれる赤い顔の妖怪。
●近江之丞桃六:物語のキーパーソンになる人物。出てきてのお楽しみ♪

【あらすじ】
播磨国にある白鷺城の最上階は、
見目麗しい富姫(とみひめ)を女主人とした妖怪達の世界。
中央には守り神と
言える大きな獅子頭が据えられていて、
侍女や禿(かむろ)達が、まさに浮き世離れした暮らしを楽しんでいます。
そこへ、富姫の妹分である亀姫が会津国・猪苗代からやってきます。
たおやかな会話を楽しむ中で亀姫から供されたお土産に、
富姫はたいそう喜びます。
そのお土産とは、播磨守の兄弟である猪苗代城主の生首でした。
亀姫への御礼として富姫は、播磨守から霊力で奪い取った白い鷹を贈ります。

亀姫が帰った夜、一人の人間の若者が天守へと上ってきました。
その人こそ姫川図書之助です。
図書之助は、播磨守の鷹を逃した罪で切腹になるはずのところ、
魔界と言われる天守に向かえば命を救うと言われ、やってきたとのこと。
富姫は一旦は図書之助を追い返しますが、
手元の蝋燭の火を乞うため再び天守へ戻った図書之助の

臆することなく
凛と振舞う姿に、いつしか恋心を抱くようになりました。
しかし自分は妖怪。
帰したくない思いを図書之助に伝えつつも
天上に留まるは人間にとって死ぬに等しいと考え、
出会いの証として播磨守秘蔵の兜を与え、切なさのうちに図書之助を見送ります。
ところが下界に下りた図書之助は兜を盗んだ謀反人と誤解され、
追われるまま三度天守へと戻ってきます。
富姫はもう図書之助を追い返しはしません。一緒に獅子頭に隠れて匿います。
しかし、図書之助を追いかけてきた小田原修理らが獅子頭の目を傷付けたことで、
富姫や図書之助ら天上界にいた者は皆、光を失ってしまいます。
何とか追手を退けるも、助けを求めることすら叶わない富姫と図書之助。
人の手に掛かって死ぬくらいなら、いっそお互いの命をと嘆き悲しむのですが…。


と、思わず長々と書いてしまいましたが
これもシネマ歌舞伎によって心が揺さぶられたがゆえのこと。お許しくださいあせあせ(飛び散る汗)

シネマ歌舞伎『天守物語』。
「“匂い立つ”とはこのことか」とため息をつくほどの
玉三郎さんの艶・気高さ・愛らしさに、目も耳も心も奪われること必至ですひらめき
その細やかな仕草や表情をつぶさに観られるのは、シネマ歌舞伎ならでは。

一夜の出来事で場面転換もないのに
そこで繰り広げられる人間模様(妖怪模様?)に
いつの間にか引き込まれていることにお気づきになると思いますよ!
2月には『海神別荘』、3月には『高野聖』が公開されます。

上映劇場など松竹シネマ歌舞伎について詳しくは
コチラ

番組ではプレゼントをご用意しましたプレゼントわーい(嬉しい顔)
◆『坂東玉三郎 泉鏡花抄』ポスターセット(非売品)×1人
  

天守物語.jpg 海神別荘.jpg 高野聖.jpg

◆『坂東玉三郎 泉鏡花抄』卓上カレンダー×2人

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欲しいものとご住所、お名前、ご連絡をお書き添えのうえ下記へご応募ください。
今週中(2月3日まで)であれば大丈夫ですグッド(上向き矢印)

メール asa@jocr.jp
 FAX  078-361-0005
ハガキ 〒650-8580(あとは宛名を書いていただければ届きます)
いずれも ラジオ関西『三上公也の情報アサイチ!』係 まで。

※注意※
ポスターは松竹から直接発送いたします。
ご連絡先などをラジオ関西から松竹に通知のうえ、
今回の発送にのみ使用することをご了承くださる方のみ
ご応募いただけますようお願いいたします。

posted by 奈月 at 14:55 | 兵庫 🌁 | 和のコト、ヒト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月18日

大阪松竹座『二月大歌舞伎』

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大阪・難波にある松竹座では『二月大歌舞伎』を上演中。
先月の『壽 初春大歌舞伎』に続く歌舞伎で、
このように、大阪で2ヶ月連続歌舞伎の幕が開くのは稀なことです。
ファンには嬉しいですねわーい(嬉しい顔)

出演は片岡仁左衛門さんを中心に、
市川段四郎さん、中村芝雀さん、坂東彌十郎さん、片岡孝太郎さん、
片岡愛之助さん、坂東竹三郎さんなど。

仁左衛門さんは、歌舞伎初心者の方に足を運んでいただくと同時に
歌舞伎好きの方により楽しんでいただきたいと、
座席料金を通常より低めに設定したり
夜の部の開演を17時と歌舞伎としては少し遅めの時刻にしたり、
「歌舞伎は長い=いつ終わるのかわからない」という不安を解消するため
夜の部の終演時刻(20;30予定)を明示したり、
番付(プログラム)の初版に折込のポスターを付けてみたりと
様々なアイデアを今回の公演で実現なさっています。

また、特徴的なのが2本立てというところ。
歌舞伎は通常「見取り(みどり)」と言って
長い長い作品の中で人気の高い段(一部分)のみを取り出し、
それを幾つか並べて上演します。
それを今回は「通し(とおし)」、
つまり一つの作品を最初から最後まで通して見せてくれるんです。
見取りですと、その前後を予め知っておかなければ
舞台を観ても理解できずに終わってしまうこともあるのですが、
通しですと、事のいきさつなどを承知した上で観(み)進められますので
消化不良に陥ることがありません。

しかも今回上演されている作品は2本とも仇討ちの物語で、
どちらも関西では滅多にお目に掛かれないものとのこと。

その作品とはexclamation

『彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)』

『盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)』

hikosan.jpg どっちも、まず読めません。ハイ。(笑)

『彦山〜』は「毛谷村(けやむら)」の段が有名で、
それこそ見取り狂言として上演されるのはおなじみですが、
関西で通しで上演されるのは昭和19年以来、実に67年ぶりなんですって。
一方の『盟〜』は、忠臣蔵の外伝と呼ぶべきもので、
そこに五大力話や四谷怪談がないまぜになって
かなりドロドロとしたドラマになっています。
こちらは関西では初めての上演だそうですひらめき

私はその2作品のうち『彦山〜』を拝見しました。

仇討ちものということで、
緊迫した感のある凄惨な舞台になるのかと思いきや・・・

あら目

彩りは華やかですし、
誰より剣術に長けながら優しさ満開の六助(仁左衛門さん)や、
大活躍の子役さんの存在、
また男勝りで凛々しいお園が、男前の六助が許婚とわかった瞬間に
ほにゃ〜っ揺れるハートと乙女に変身する様子などに心が和み、
無慈悲で極悪非道な京極内匠(愛之助さん)を家族揃って討つラストには
胸がすくほどのすっきり感がありました。

歌舞伎初心者の方や重たい作品が苦手な方には昼の部が、
歌舞伎通の方には夜の部がいいかもしれません。

番組ではその『彦山〜』にご出演中の片岡孝太郎丈の
インタビューをお届けしました。孝太郎丈のことはこの次に。


posted by 奈月 at 15:28 | 兵庫 ☔ | Comment(0) | 和のコト、ヒト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月28日

當る卯年 吉例顔見世興行

どうしようかと長い間悩んで、やっぱり行ってきました!
京都・南座!

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市川海老蔵さんの降板劇であれこれ話題になりましたが、
代役を務める片岡愛之助さんの評判が良いということで
愛之助さんを応援している者として安堵しつつ、
どうしても自分の目で観たいという衝動を抑えられなかったのですふらふら

果たして…行って良かった〜るんるん

観たのは夜の部でした。

『外郎売』 【ういろううり】
件の演目です。
勘亭流の文字で、
舞台上手(向かって右側)に「歌舞伎一八番の内 外郎売」、
下手(同左側)には「六代目片岡愛之助 相勤め申し候」と。
これだけでまず感激ぴかぴか(新しい)
そして、浅葱色の衣裳に身を包んだ「外郎売 実は 曽我五郎時到(ときむね)」
=愛之助丈が花道を颯爽と歩いてきた時にゃ、
両手を胸の前でギュッと握りしめ、祈るような想いで見つめてしまいました。
脇を固める段四郎(だんしろう)丈、寿猿(じゅえん)丈、市蔵(いちぞう)丈、
孝太郎(たかたろう)丈、猿弥(えんや)丈、笑三郎(えみさぶろう)丈、
春猿(しゅんえん)丈、薪車(しんしゃ)丈も、それぞれ個性豊かな花を咲かせていました。

愛之助丈の『外郎売』は、
代々の成田屋さんの演じたものとは迫力という点で異なるのかもしれません。
でも、端正で華やぎのある佇まいとすっきりとした声・口跡は
“愛之助流外郎売”として評価されてしかるべきと感じ入りました。
実は、拝見する前に愛之助さんの楽屋にご挨拶に伺ったのですが、
成田屋の十八番の中でも『外郎売』は
『鳴神(なるかみ)』(以前、同じく海老蔵さんの代役を務めた)や、
『毛抜き(けぬき)』など他の演目とは格が違い特別な存在のため、
「(自分が演じることは)もう一生ない、ないですよ、ほんとに。
今回は成田屋さんが是非にと言って下さったので」と
真摯な眼差しで語っていらっしゃいました。
成田屋の御家芸ということは
舞台上で、外郎売の衣裳や後見(こうけん=舞台上で早変わりを手伝ったり
小道具を持って行ったりと、お芝居の進行を表立って補助する役割)の方の裃に
三升(みます)=成田屋の紋が入っていたことまでもが十二分に表しています。
(後見さんの着物には、愛之助さんを含む松嶋屋の紋
「追いかけ五枚銀杏(おいかけごまいいちょう)」が付いていました)
たった2日の稽古で本番に臨み、
他家の御家芸を立派に勤めた度胸・度量も天晴れですが、
それ以上に、それほどのことをできるだけの素地を
人知れぬところで鍛錬を積んで培っていらした愛之助丈の努力に
深く敬意を表したいと思いました。
愛之助さん情報は、また後ほど。


『仮名手本忠臣蔵 七段目 祇園一力茶屋の場』
【かなでほんちゅうしんぐら しちだんめ ぎおんいちりきちゃや(もしくは「じゃや」)のば)】
大星由良之助・中村吉右衛門、おかる・坂東玉三郎、寺岡平右衛門・片岡仁左衛門。
いま現在、これ以上の配役があるでしょうか?いや無い!
と素人の私でも言いたくなるほど、極上の舞台でした。
玉三郎丈。あの方は何なんですかっ!ほんとに。
艶と色気に愛らしさとあどけなさまで併せ持つ、呆れるほどの美しさぴかぴか(新しい)
とても還暦とは思えません。
吉右衛門丈の、フラフラしていると見せかけて思慮深い様、
仁左衛門丈の、親しみやすい役柄にも漂う品の良さ。
また、仁左衛門丈演じる兄と玉三郎丈演じる妹のやりとりが、
ただただ深刻になってしまいそうな場面に、うまく緩和を取り入れてくれます。
あんな風に、呼吸で会話のリズムを作ることのできるのが
ベテランの役者さんの演技なのだなと感じました。


『心中天網島 河庄』 【しんじゅうてんのあみじま かわしょう】
江戸歌舞伎の「荒事(あらごと)」に対する
上方歌舞伎の「和事(わごと)」の代表作の一つで、もともとの作者は近松門左衛門。
紙屋治兵衛と遊女・小春の2人の心中物語です。
妻子がいながら小春と別れられない治兵衛。
治兵衛を想いながらも、「夫と別れて」と手紙までよこした妻・おさんへの義理のために
わざと治兵衛に気のない素振りを見せる小春。
2人の間に入って別れ話をまとめようとする治兵衛の兄・孫右衛門の落ち着き。
治兵衛を坂田藤十郎丈、小春を中村扇雀丈が演じるという親子共演なのですが、
和事独特のじゃらじゃらした感じ
=物語が進むでもなく、うじゃうじゃしたじれったい感じがよく出ていました。


『鳥辺山心中』 【とりべやましんじゅう】
名前の通り、こちらも心中もの。
旗本の菊池半九郎が将軍に従って上洛した先で出会った遊女のお染と恋仲に。
お染の父もそれをたいそう喜んで、揃いの晴れ着を作って持ってくるのですが、
それが最後には死に装束となってしまうという切ない物語です。
私は、半九郎を演じた中村梅玉(ばいぎょく)丈の背筋の伸びた演技
(と、ファッファッファッという感じの笑い)が好きなため
それだけでこの演目は満足だったのですが、
中村芝雀(しばじゃく)丈のお染が初々しく可憐で、
またまた女性として勉強させていだきました揺れるハート


『越後獅子』 【えちごじし】
越後=現在の新潟県月潟村付近からやってくる旅芸人の踊りを写したもの。
中村翫雀(かんじゃく)丈を中心にした演目でした。
越後晒しを模した白い幅広の長い布を上下に振りながら踊る場面があるのですが、
翫雀丈の持つ布の先端は、一度たりとも舞台につくことはありませんでした。
演技は実直、お人柄はユーモアたっぷり、そして魂で踊る舞踊家でもある。
素敵!
なんとこの演目、始まるのが夜10時25分、終演は10時40分でした。
お疲れさまでした。

と、エネルギー切れで尻すぼみになってしまってすみません。
とにかく思い切って観に行って良かった。
願わくば昼の部も観たかったという思いは残るものの、大満足の年末でしたわーい(嬉しい顔)

なお南座の顔見世は26日に千秋楽を迎え、
役者さん達は既にお正月公演のお稽古に入ってらっしゃいます。
来年も当る年でありますように☆



posted by 奈月 at 22:09 | 兵庫 ☔ | Comment(2) | 和のコト、ヒト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月26日

子供たちの明日〜大阪市中央区・高津にて〜

こちらは先月末のこと。
大阪市中央区の高津(こうづ)小学校で、子供たちの文楽の発表会がありました。
高津小学校では6年生になると文楽が授業に取り入れられ、
学んだ成果を一般の方にも披露するのが、毎年秋のこのイベントなのです。
子供たちは6年生になるのをワクワキしながら待っているのだそうで、
地元の伝統文化を勉強するのが楽しみだなんて、素敵だなと思いましたかわいい

当日の朝、NPO法人『人形浄瑠璃文楽座』の事務所にやってきたのは
文楽座所属の人形遣い・桐竹勘次郎(きりたけかんじろう)さん。
キャリーケースにせっせと人形を詰めています。
着物と首(かしら)が、こんな風にコンパクトになっちゃうんですねあせあせ(飛び散る汗)

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準備が整ったら一路、高津小学校へ向かいますダッシュ(走り出すさま)

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会場の入り口には、地元高津の紹介や人形がお出迎え。
勘次郎さんが運んだのは人形は技芸員用で、
子供たちの扱う人形は、学校の職員さんが少し小さめに作り上げたものだそうです。

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さぁ、いよいよ開演!

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子供たちが演じたのは『二人三番叟(ににんさんばそう)』。
先生である桐竹勘十郎(きりたけ かんじゅうろう)さんの前で、堂々とした舞台でした。

そして、子供たちの後ろの華麗な松をご覧ください!
高津小学校は、学校では珍しく
「松羽目(まつばめ)=青松の描かれた背景幕」を自前で持っているんです。
さすがは文楽のおひざ元ですねexclamation×2
ちなみに三番叟は、おめでたいときに上演される代表的な演目です。
以前テレビのニュースで
「寿式三番叟」を「ことぶきしき、さんばんそう」と読んでいるのを聞いたことがありますが
正確には「ことぶき、しき さんばそう」です。

子供たちが立派に舞台を務めたあとは、大人の出番。
まずは、太夫(たゆう=浄瑠璃の語り手)の豊竹希大夫(とよたけ のぞみだゆう)さん、
三味線の鶴澤燕三(つるざわ えんざ)さん、人形遣いの吉田文哉(よしだ ぶんや)さんが
それぞれの特徴や働きなどを解説しました。

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会場の方に体験していただくコーナーもあり、
北欧スウェーデンからの留学生も、四苦八苦しながら楽しんでいたようでした。

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そして最後はお待ちかね、プロの技芸員による舞台です。
今回披露されたのは、
『傾城阿波の鳴門(けいせいあわのなると) 
順礼歌の段(じゅんれいうたのだん)』

あまりにも有名ですね。
大夫は豊竹英大夫(はなふさだゆう)さん、希大夫さん、三味線は燕三さん。
人形を遣いは、お弓が吉田文司(ぶんし)さん、おつるが吉田玉翔(たましょう)さんです。

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幼い少女・おつるがお弓の家を訪ねてきました。

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聞けば独りで各地を順礼し、生き別れた両親を探し歩いているとのこと。
少女の言葉には懐かしい故郷・阿波の国の訛りがあります。
そこで家に招き入れて話を聞いていたのですが
話が進むうちお弓は、いたいけないその少女が自分の娘・おつるだと気づきます。

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ところがお弓は、おつるに自分が母親であると名乗ることができません。
なぜならば、お弓は夫の十郎兵衛とともに盗賊として暮らしているからです。
というのも、十郎兵衛が誤って或る人を負傷させて主人から勘当され、
(どうやら悪臣の陰謀にハマったと思われるのですが)
主人の許しを乞うたところ、主家の紛失した家宝の刀を見つけるよう命じられたためでした。
折しもおつるが訪ねてきたのは、
盗賊仲間から「追手が迫っている」と報告を受け、
「夫はどうしているだろう。早くここから立ち去らねば」と案じていた時。
「盗賊の子とあらば、かえって娘を不幸に陥れてしまう」
そう思ったお弓は、
おつるの髪をすき(髪をすく行為は文楽・歌舞伎では愛情の表れとされています)
ひしと抱き寄せ、名乗れぬ苦悩にうち震えつつ…

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いくばくかのお金を持たせて、おつるを無理やり家の外に送り出します。
そして我が子を冷たく返した、その辛さに打ちひしがれ涙にくれるのでした。

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しかしどうしても思いを断ち切れないお弓は、おつるの後を追います。

と、ここまでが「順礼歌の段」の物語。
実はその後の展開がさらなる悲劇を呼ぶのです。

お弓と入れ違いに、十郎兵衛が家に帰ってきます。何と、おつるを連れて!
ただ、十郎兵衛は幼い子が独りで旅しているのを不憫に思っただけで
少女が我が子だとは知りません。
ふと見ると、少女はお金を持っているではありませんか。
十郎兵衛はお金を貸してくれるよう少女に頼みますが、少女は頑なに拒みます。
騒ぐ少女。鎮めようとして、十郎兵衛は誤って少女を殺めてしまいます。
そこへ帰ってきたお弓が嘆き悲しみ、十郎兵衛は我が子・おつるを手に掛けたことを知るのです。
しかし追ってが迫っています。
十郎兵衛とお弓は、涙ながらにおつるの亡骸もろとも家に火を点け
その場を立ち去るのでした。

というのが大まかなストーリーです。
先のこの展開があるからこそ、「順礼歌の段」最後の場面がズシンと心に響きます。
機会があればご覧くださいね。

※写真は全て許可を得て撮影、掲載しています。

◆NPO法人人形浄瑠璃文楽座http://www.bunrakuza.com/
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posted by 奈月 at 19:05 | 兵庫 ☀ | Comment(2) | 和のコト、ヒト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月03日

心ときめく舞踊の会

IMG_0528.JPG

昨日は、神戸国際会館こくさいホールでの『ひょうご名流舞踊の会』に行ってきました。
お招き下さったのは、坂東呂扇(ばんどう ろせん)先生。
ラジオ関西の番組審議委員をお務めで、
8月に実施した三上アナと行く阿波踊りツアーにプライベートでご参加下さった際、
歌舞伎などのお話をしたのがご縁でお声掛けいただきました。

呂扇先生の演目(と言っていいのかしら?)は常盤津『狐火』。
開演前のアナウンスで「八重垣姫」と聞いて、ピンひらめきときました。
歌舞伎や文楽でもおなじみの
「本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)奥庭狐火の段」を下敷きにしたものだったんです。
心がときめきました揺れるハート

そんな八重垣姫を主人公とする「奥庭狐火の段」の物語は…

八重垣姫は、死んだと思っていた許嫁・武田勝頼が
庶民の姿を借りて生きていたことを知って安堵したのも束の間、
父・長尾(上杉)謙信が勝頼の正体を見抜き、彼の命を狙っていることを知りますがく〜(落胆した顔)
そのことを勝頼に知らせたい八重垣姫は、諏訪明神に祀ってある兜に祈ります。
それは、長尾家が武田家から借りたまま返さずにいる諏訪法性(ほっしょう)の兜。
何でも諏訪明神の使いの狐の魂が宿り、戦場で比類ない力を発揮するとのこと。
実は長尾・武田両家の諍いは、長尾が武田にその兜を返さないことが原因でした。
勝頼が庶民風情の仮の姿で長尾家に入り込んだのも、兜を取り返さんがため。
勝頼付きの腰元も、八重垣姫に「勝頼のため兜を盗み出して」と訴えたほどです。
しかし今や勝頼の身元はバレ、父は彼を殺そうとしているふらふら
逸る心で一心に祈る八重垣姫。
すると、兜を手にした八重垣姫に変化が…。
狐の助けを得た八重垣姫は、一路勝頼の許へと飛んでいくのでした右斜め上

さぁ、いよいよ舞台の始まりです。

東山魁夷画伯の下絵「新生の樹」による青緑色の緞帳が上がり
現れた定式幕が引かれると、そこはもう諏訪明神。
舞台袖から現れた真っ赤な振袖姿の八重垣姫のそれはそれは艶やかなことぴかぴか(新しい)
愛しい人を一途に想う気持ちが、凛とした、しなやかな舞や声から伝わってきました。
途中の舞台上、赤い振袖から純白の振袖への早替わりもあり、
呂扇先生の“魅せる舞踊”、想像を超える華やかなひと時に感激しました。
満員のお客様も拍手喝采でしたよexclamation×2

出番終了後、感激をお伝えしたくて楽屋に伺いました。

IMG_0526.JPG

先生からは「奈月さんに(日本舞踊)合うんじゃないかしら。いいと思うわ」と言っていただき
憧れていた気持ちが一瞬膨らんだ一方、「いやいや、私にはとてもとてもあせあせ(飛び散る汗)」と心の声。
とりあえず一度お稽古体験してみたいな…なんて(^0^;)たらーっ(汗)

何はともあれ、雅やかな世界へいざなって下さった呂扇先生、ありがとうございましたかわいい



posted by 奈月 at 00:22 | 兵庫 ☀ | Comment(1) | 和のコト、ヒト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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