2016年10月18日

その役者、市川海老蔵

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最前列。舞台上、わずか数歩の隔たりの先に彼がいた。その弁慶は、芝居の神が命を吹き込みたもうた錦絵のごとく。圧倒的な見得に、射抜く眼力。迸る熱は雫となり、かつらの一筋ひと筋を伝って止め処なく滴り落ちる。好むと好まざるとにかかわらず、観る者は皆、類い稀な光と華に酔いしれ、屈伏を味わう。そんな役者、市川海老蔵。
posted by 奈月 at 23:11 | 兵庫 ☀ | 和のコト、ヒト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月04日

シネマ歌舞伎『阿弖流爲(アテルイ)』

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徒然なるままの感想。

息もつかせぬ勢いと展開に心地よい満腹感。染五郎、勘九郎、七之助は異なる個性をいかんなく発揮。其々更なる伸び代を感じさせる。怒りに燃える染五郎が雄々しい。剛柔併せ持つ勘九郎、目を閉じると勘三郎かと…。七之助は特に後半の八百屋での演技が圧巻‼️

どっしりと貫禄の彌十郎、ねっとり絡み付く萬次郎で悪役の華を堪能。亀蔵、脇ながらあらゆる意味で存在感が際立つ。笑いあり心震える場面あり。従来のいのうえひでのり×中島かずきの世界を色濃く映しつつ、“歌舞伎”としての新たな可能性を確かに打ち出す。

映像になり、生の舞台以上にセリフを明確に聞き取れるのがありがたい。また、観客の拍手や笑い声の盛り込みが最小限と言えるレベルだったり、映像上の演出が効果的に加えられたりしている点で、作品の世界そのものへいざなう引力が増幅していると感じる。
posted by 奈月 at 22:43 | 兵庫 ☔ | 和のコト、ヒト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月04日

渋すぎる展覧会、お釜が主役

滋賀県甲賀市信楽にあるMIHO MUSEUM、いらしたことはおありですか?とにかく美しいんです✨ 緑は眩しいほど。

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レセプション棟から展示棟までは電気自動車で向かいます。

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トンネルを抜けて辿り着いた展示棟は、入って正面に立派な松の枝を望みます。

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廊下もガラス張りで開放的!

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ここで渋すぎる展覧会が今日から開催されてますねん♬その名も…

「極(きわみ)  大茶の湯釜展 -茶席の主(あるじ)-」
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興味がおありにならない方には、何が良いのか全くもって解らない展覧会と断言できちゃいますが…

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国の重要文化財に指定された9つの茶の湯釜、先日『なんでも鑑定団』で灯籠が取り上げられ「本物なら2000万は下らない」とされた名工・辻与次郎の作品の数々(もちろんホンモノ💖)…

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さらには利休の書までが一堂に揃う貴重な会…なんですっ!!!

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さらにこちらも展示品の1つ。

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「キッチンでドランクしてますね」

と、展覧会監修者の東京藝大大学美術館長 原田一敏先生。

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ほんとだ!って、先生、なぜそこ英語?(笑)
湯釜の使用状況がわかる南北朝時代の絵巻物です。

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「極(きわみ)  大茶の湯釜展 -茶席の主(あるじ)-」は7/31まで。

今月中にラジオ関西の番組でお話する予定にしています。
posted by 奈月 at 15:38 | 兵庫 ☁ | 和のコト、ヒト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月19日

スーパー歌舞伎U ワンピース

『スーパー歌舞伎U ワンピース』へ。

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製作発表の時には想像がつかなかったけれど、観てみたらとにかく最高だった☆

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宙乗りに大掛かりな回り舞台、大量の本水や紙吹雪、さらには映像とプロジェクションマッピング。ここはテーマパーク⁈ 歌舞伎の面白みとアニメの世界観とが絶妙に絡まったところへ伝統の技と最新の技術が加わった、極上のエンタテインメントだった。

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また、俳優陣の役作りが秀逸。それぞれが複数の役を演じているのに完成度は抜群に高く、天井を突き抜けるレベルなのが爽快!例えば猿之助は、快活でひたむきなルフィそのもの。四ノ切で健気な源九郎狐を演じた際の姿を彷彿とさせたのは、歌舞伎役者の本領か。個人的には巳之助のボン・クレーと右近(尾上)のサディちゃんが大好きだった❤️

通常の“歌舞伎”のイメージを逸脱した斬新さを感じさせる今作。考えてみると、そもそも歌舞伎が庶民にとってこの上ない娯楽だった頃の歌舞伎は、きっとこのような感覚で観衆に受け留められていたのだろう、と。

次は博多公演だそう。遠征してでも観たいと思える作品。

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posted by 奈月 at 21:49 | 兵庫 ☔ | 和のコト、ヒト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月21日

嶋大夫引退、そしてこれから。

東京への日帰り旅の目的は、嶋大夫師匠の引退披露狂言を観ることでした。大阪の国立文楽劇場ではどうしても予定が合わずで拝聴できなかったもので。

文楽仲間でもあるT姉さんと赴いた国立劇場。赤い文字が、引退を惜しむ声を象徴しています。
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果たして、八代豊竹嶋大夫引退披露狂言『関取千両幟』は?師匠ご自身が語られた時間は短かったものの、そのお声には張りも厚みも深みもあって…。まだまだ続けていただけそう、願わくば続けていただきたいとそう感じたのは、T姉さんも同じでした。語り終えてお独りで床に残り、客席に深々とお辞儀なさる嶋大夫師匠のお姿に涙が滲みました。

ただ未来への光明も射す舞台だったと感じました。師匠引退に当たってのご挨拶役もお務めになった呂勢さんは爽快。そして三味線の寛太郎さん。「相撲場の段」で、お師匠さんでありお祖父様でもある寛治師匠が弾かれたあと、曲弾き(アクロバティックに“見せる”要素も入った演奏)を担当。堂々としたその佇まいは、一昨年の『壇浦兜軍記・阿古屋琴責の段』で三曲を弾きこなした時からさらなる成長を遂げたと実感させるものでした。

あと余談ですが、国立劇場での公演にはプラスαが色々用意されているように思いました。すじがきに挟まっていたこの冊子も。
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きっと嶋大夫師匠の引退は次への扉。これからも、文楽から耳も目も離せなさそうと感じた1日でした。
posted by 奈月 at 02:25 | 兵庫 🌁 | 和のコト、ヒト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月31日

あべの歌舞伎「晴(そら)の会」舞台稽古拝見。

放ったらかしてました(^_^;)お久しぶりです。

今日は「あべの歌舞伎『晴(そら)の会』」の舞台稽古を拝見しました。

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今公演の主役は、上方歌舞伎塾第1期生のお三方。約20年間修業を積んでハレの日をお迎えになりました!

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舞踊は、華やぎがあったり可笑しみを感じさせたり正統派の美を放っていたり。三演目三様で飽きさせません。

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一部の後の休憩時間には、初日を祝う鏡開きも。お三方の準備が整うまで、師匠で今回監修をお務めになった片岡秀太郎丈が前説を担当なさるという、何とも贅沢なひと時になりました♪

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秀太郎さん、嬉しそう(๑˃̵ᴗ˂̵๑)

そして、続くお芝居は上方落語の『宿屋仇』を歌舞伎に仕立てたもので、三方向から見える舞台をつい立て1つで場面転換。立ち回りや歌舞伎お決まりの型・演出、名場面のパロディーも盛り込み、初めて観る人にも通の方にも愉しい作品になっていました。

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舞台稽古を終えてお三方曰く「まず多くの方に感謝。大変でしんどいけれど喜びが勝って(まさって)いる」落語家さんに観てもらいたい?「う〜〜〜ん、それは怖い!うん、怖い、怖い。(笑)けど、でもぜひ観て欲しい!」

そして、師匠である片岡秀太郎さん(74歳)の言葉は、温かさと厳しさに満ちていました。

「普段主役を務める人達じゃないし勉強会ではないから相当なプレッシャーだと思う。そんな中でよく頑張っている。3人にスポットライトをあてていただいて嬉しい。教え子だから。私もいつ死ぬかわからない。勘三郎くんや三津五郎くんら、順番通りでなく若くして亡くなった人もいる。限りある命。父(十三世片岡仁左衛門)が言っていたように、私達は生きているうちに置いていけるものを置いていきたい。彼らにはそれを残してもらいたい。そしてまた100年、200年続いていくように…」

観ると清々しい気持ちになれます☆あべの歌舞伎『晴の会』は本日初日、明後日8月2日まで大阪天王寺あべのハルカス内の近鉄アート館で。


posted by 奈月 at 21:51 | 兵庫 ☀ | 和のコト、ヒト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月14日

二代目吉田玉男襲名披露

玉男(たまお)さんにお逢いするから♡と、客席から拝見するだけなのに妄想を膨らませ、1番気に入っているワンピースを着て行ったら…終演後思いがけず遭遇で大興奮(⊙ꇴ⊙)!!!

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国立文楽劇場での「吉田玉女(たまめ)改め二代目吉田玉男襲名披露」

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「口上」も披露演目の『一谷嫩軍記 -熊谷陣屋-』も泣いてしまった。嬉しかったり心震えたり。「ここに《吉田玉男》の新たな道のりが幕を開けたんだ」という感慨が、私の胸をひたすら熱くした。

二十代の終わり、文楽に足を運ぶようになったきっかけが当時の玉女さんだった。あれから12年。玉女さん48年の芸歴の4分の1にしか過ぎないけれど、私なりに応援し続けてきた。決して器用ではないと聞いている。だからこその陰の努力が、舞台で大らかな力と光を放つ気骨の人。私の観てきた玉女さんはそういう人だ。関係者でもないのに私が涙した背景には、12年間積み重ねてきた想いがある。

これからは玉男。師匠の名を継いでなお変わらず誠実に無骨に、そして一層深く人形に“命”を吹き込む、二代目ならではの芸を拝見し続けたい。この度の襲名、心からおめでとうございます!

☆公演に足をお運びになる方は、資料展示室での企画展示もぜひご覧ください☆

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【観劇日Twitterまとめ】本文と重なる内容もあります
◆二代目吉田玉男襲名について
感激の舞台
玉男さんに遭遇!

◆『靱猿(うつぼざる)』

◆『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)』熊谷陣屋(くまがいじんや)の段
涙腺決壊のあの語り、玉男さんの遣う人形
人形遣い同期お三方揃い踏みの味わい

◆『卅三間堂棟木由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい』
人間国宝の共演にして競演

◆企画展示『初代・二代目吉田玉男』

◆国立文楽劇場30周年を記念しての新緞帳

◆国立文楽劇場の座席シートは○○木綿

◆渡邉肇さん撮影による写真展『転女成男(てんにょじょうなん)』
※5月に東京でも開催されます。

posted by 奈月 at 00:26 | 兵庫 ☔ | 和のコト、ヒト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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