2010年12月28日

當る卯年 吉例顔見世興行

どうしようかと長い間悩んで、やっぱり行ってきました!
京都・南座!

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市川海老蔵さんの降板劇であれこれ話題になりましたが、
代役を務める片岡愛之助さんの評判が良いということで
愛之助さんを応援している者として安堵しつつ、
どうしても自分の目で観たいという衝動を抑えられなかったのですふらふら

果たして…行って良かった〜るんるん

観たのは夜の部でした。

『外郎売』 【ういろううり】
件の演目です。
勘亭流の文字で、
舞台上手(向かって右側)に「歌舞伎一八番の内 外郎売」、
下手(同左側)には「六代目片岡愛之助 相勤め申し候」と。
これだけでまず感激ぴかぴか(新しい)
そして、浅葱色の衣裳に身を包んだ「外郎売 実は 曽我五郎時到(ときむね)」
=愛之助丈が花道を颯爽と歩いてきた時にゃ、
両手を胸の前でギュッと握りしめ、祈るような想いで見つめてしまいました。
脇を固める段四郎(だんしろう)丈、寿猿(じゅえん)丈、市蔵(いちぞう)丈、
孝太郎(たかたろう)丈、猿弥(えんや)丈、笑三郎(えみさぶろう)丈、
春猿(しゅんえん)丈、薪車(しんしゃ)丈も、それぞれ個性豊かな花を咲かせていました。

愛之助丈の『外郎売』は、
代々の成田屋さんの演じたものとは迫力という点で異なるのかもしれません。
でも、端正で華やぎのある佇まいとすっきりとした声・口跡は
“愛之助流外郎売”として評価されてしかるべきと感じ入りました。
実は、拝見する前に愛之助さんの楽屋にご挨拶に伺ったのですが、
成田屋の十八番の中でも『外郎売』は
『鳴神(なるかみ)』(以前、同じく海老蔵さんの代役を務めた)や、
『毛抜き(けぬき)』など他の演目とは格が違い特別な存在のため、
「(自分が演じることは)もう一生ない、ないですよ、ほんとに。
今回は成田屋さんが是非にと言って下さったので」と
真摯な眼差しで語っていらっしゃいました。
成田屋の御家芸ということは
舞台上で、外郎売の衣裳や後見(こうけん=舞台上で早変わりを手伝ったり
小道具を持って行ったりと、お芝居の進行を表立って補助する役割)の方の裃に
三升(みます)=成田屋の紋が入っていたことまでもが十二分に表しています。
(後見さんの着物には、愛之助さんを含む松嶋屋の紋
「追いかけ五枚銀杏(おいかけごまいいちょう)」が付いていました)
たった2日の稽古で本番に臨み、
他家の御家芸を立派に勤めた度胸・度量も天晴れですが、
それ以上に、それほどのことをできるだけの素地を
人知れぬところで鍛錬を積んで培っていらした愛之助丈の努力に
深く敬意を表したいと思いました。
愛之助さん情報は、また後ほど。


『仮名手本忠臣蔵 七段目 祇園一力茶屋の場』
【かなでほんちゅうしんぐら しちだんめ ぎおんいちりきちゃや(もしくは「じゃや」)のば)】
大星由良之助・中村吉右衛門、おかる・坂東玉三郎、寺岡平右衛門・片岡仁左衛門。
いま現在、これ以上の配役があるでしょうか?いや無い!
と素人の私でも言いたくなるほど、極上の舞台でした。
玉三郎丈。あの方は何なんですかっ!ほんとに。
艶と色気に愛らしさとあどけなさまで併せ持つ、呆れるほどの美しさぴかぴか(新しい)
とても還暦とは思えません。
吉右衛門丈の、フラフラしていると見せかけて思慮深い様、
仁左衛門丈の、親しみやすい役柄にも漂う品の良さ。
また、仁左衛門丈演じる兄と玉三郎丈演じる妹のやりとりが、
ただただ深刻になってしまいそうな場面に、うまく緩和を取り入れてくれます。
あんな風に、呼吸で会話のリズムを作ることのできるのが
ベテランの役者さんの演技なのだなと感じました。


『心中天網島 河庄』 【しんじゅうてんのあみじま かわしょう】
江戸歌舞伎の「荒事(あらごと)」に対する
上方歌舞伎の「和事(わごと)」の代表作の一つで、もともとの作者は近松門左衛門。
紙屋治兵衛と遊女・小春の2人の心中物語です。
妻子がいながら小春と別れられない治兵衛。
治兵衛を想いながらも、「夫と別れて」と手紙までよこした妻・おさんへの義理のために
わざと治兵衛に気のない素振りを見せる小春。
2人の間に入って別れ話をまとめようとする治兵衛の兄・孫右衛門の落ち着き。
治兵衛を坂田藤十郎丈、小春を中村扇雀丈が演じるという親子共演なのですが、
和事独特のじゃらじゃらした感じ
=物語が進むでもなく、うじゃうじゃしたじれったい感じがよく出ていました。


『鳥辺山心中』 【とりべやましんじゅう】
名前の通り、こちらも心中もの。
旗本の菊池半九郎が将軍に従って上洛した先で出会った遊女のお染と恋仲に。
お染の父もそれをたいそう喜んで、揃いの晴れ着を作って持ってくるのですが、
それが最後には死に装束となってしまうという切ない物語です。
私は、半九郎を演じた中村梅玉(ばいぎょく)丈の背筋の伸びた演技
(と、ファッファッファッという感じの笑い)が好きなため
それだけでこの演目は満足だったのですが、
中村芝雀(しばじゃく)丈のお染が初々しく可憐で、
またまた女性として勉強させていだきました揺れるハート


『越後獅子』 【えちごじし】
越後=現在の新潟県月潟村付近からやってくる旅芸人の踊りを写したもの。
中村翫雀(かんじゃく)丈を中心にした演目でした。
越後晒しを模した白い幅広の長い布を上下に振りながら踊る場面があるのですが、
翫雀丈の持つ布の先端は、一度たりとも舞台につくことはありませんでした。
演技は実直、お人柄はユーモアたっぷり、そして魂で踊る舞踊家でもある。
素敵!
なんとこの演目、始まるのが夜10時25分、終演は10時40分でした。
お疲れさまでした。

と、エネルギー切れで尻すぼみになってしまってすみません。
とにかく思い切って観に行って良かった。
願わくば昼の部も観たかったという思いは残るものの、大満足の年末でしたわーい(嬉しい顔)

なお南座の顔見世は26日に千秋楽を迎え、
役者さん達は既にお正月公演のお稽古に入ってらっしゃいます。
来年も当る年でありますように☆





posted by 奈月 at 22:09 | 兵庫 ☔ | Comment(2) | 和のコト、ヒト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
歌舞伎に関してど素人の僕ですが、どんなに不況の世になってもこういう華の文化は絶対遺るもんなんでしょうね。
Posted by ニュー豚のたまご at 2010年12月29日 00:05
歌舞伎に関してど素人の僕ですが、どんなに不況の世になってもこういう華の文化は絶対遺るもんなんだろうなと思います。
Posted by ニュー豚のたまご at 2010年12月29日 00:06
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